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今年度に入学した修士1年生の修論テーマとして、UAVに搭載された熱赤外センサーを用いて、低地に発達する局所的な永久凍土として知られる風穴の調査を行うことになりました。風穴は、北海道の各所に存在することが報告されており、その維持機構についてはいくつかの先行研究があります。我々は、北海道のいくつかの岩塊斜面を対象に、サーマルイメージャーとよばれる赤外線を利用した機器で、上空から地表面の放射温度を測定することで、広い岩塊斜面でどこに風穴が発達するのかを解明したいと考えています。現在は調査対象地域で調査を行うための各種許可を申請しています。許可が得られ次第、これらの岩塊斜面を対象に調査を開始します。

手稲山南面に発達する岩塊斜面

「全国の自然地理学に興味をもつ学生が一堂に会して、自然地理学の俯瞰的な視点とその意義や魅力を知る」ことを目的にオンラインで運営されている自然地理学セミナーでお話しさせていただける機会をいただきました。12月11日(土) 13:00-14:30です。「陸と海をつなぐ地理学」というタイトルで、魚つき林の話をさせていただく予定です。全国の自然地理学を専攻する学部生・院生の皆さんと交流するのを楽しみにしています。参加希望の皆さんは、指導教員ないしウェブサイトの事務局を通じてお申し込みください。

少し古い資料ですが、三井物産環境基金(2011-2013)にご支援いただき実行したプロジェクトの報告書を公開させていただきます。

アムール・オホーツクコンソーシアム編
「オホーツク海の越境環境保全に向けた認識共同体の構築と実践」

自然科学研究で得られた成果を社会に還元するための一つの試みです。

10月初旬に訪れた北海道東部の別寒辺牛(べかんべうし)川流域の河川調査を再度実施しました。今回は、研究室の大学院生2名と一緒です。期間は11月8日から12日の5日間でした。このところの不順な天候のため、別寒辺牛川の増水が心配でしたが、案の定、10月初旬とさほど変わらぬ高い水位に悩まされました。今回の調査の目的は、大きく分けて3つあります。ひとつは、7月から開始した上流域の水位観測データを回収することです。チャンベツ川、別寒辺牛川、トライベツ川の三つの支流にそれぞれ水位計を設置しましたが、10月初旬は水位が高く、これらの機材を回収することができませんでした。今回は、冬が来る前になんとしても機材を撤収し、7月以降の水位・水温データを回収する必要がありました。この仕事は、博士課程2年の丁さんが主に担当しました。一桁しかない水温の河川に入って機材を回収する作業は、ドライスーツを着ていても大変つらい作業です。丁さんの頑張りにより、これらの3つの水位計は全て回収され、7月以降の上流域における水位・水温データの取得に成功しました。二つ目の課題は、ここ数年流量観測を継続しているRB1と名付けた中流域の観測点での流量の連続観測です。この観測には、ADCPと呼ばれる係留型の観測機材を河床に設置する必要があるのですが、RB1の水位は観測が可能な水位を越えており、残念ながらこの課題は断念せざるを得ませんでした。三つ目は、修士課程1年の竹内さんが取り組んでいる流域の各地点における河川水中のCDOM濃度の観測です。CDOMセンサーと呼ばれる機材で現場の河川水中のCDOM濃度を測定すると同時に、河川水を採水し、厚岸にある北海道大学の臨海実験所において、採水した水試料の吸光度を測定します。これにより、CDOMセンサーで測定した値をCDOM濃度に換算することが可能となります。CDOMは衛星観測によっても追跡できるので、現場で得た河川水のCDOM濃度をリファレンスとし、別寒辺牛川から厚岸湖・厚岸湾に流出するCDOMを衛星データで追跡することが竹内さんの修士論文のテーマです。
 以上、今回の観測はできなかったこともありましたが、予定していた観測の多くを完了することができました。今後は、別寒辺牛川が結氷する1月中旬以降、および3月の融雪洪水時に同様な観測を実施する予定です。今回の観測では、いつものように北海道大学厚岸臨海実験所、ならびに水鳥観察館にお世話になりました。仲岡教授、伊佐田准教授、澁谷さんを始めとするスタッフの皆様に感謝いたします。

RB0水位計回収

コロナウィルスの蔓延で大きく混乱した2020年度が終わり、2021年度が始まりました。昨年度は、当研究室が得意としている野外調査にも制約があり、海外調査は実施できず、北海道内の調査のみ行うことができました。今年度は、新しく採択された環境省の環境研究総合推進費による課題「世界自然遺産・知床をはじめとするオホーツク海南部海域の海氷・海洋変動予測と海洋生態系への気候変動リスク評価(代表 三寺史夫)」、ベルモントフォーラムプロジェクト “Abandonment and rebound: Societal views on landscape- and land-use change and their impacts on water and soils (ABRESO) (PI: Tim White)”、科研費基盤研究(B)「表層と中層をつなぐ北太平洋オーバーターン:大陸からの淡水供給を介した陸海結合系(代表 三寺史夫)」、低温科学研究所共同利用 開拓型研究「陸海結合システム: 沿岸域の生物生産特性を制御する栄養物質のストイキオメトリー(代表 長尾誠也)」にそれぞれ共同研究者として参加し、研究室の大学院生とともに研究を進めることになりました。
 研究室には、新しく2人の修士1年生を迎え、博士課程2名、修士課程4名の6名の大学院生がそれぞれのテーマで研究を進めます。上記のプロジェクトにも積極的に参加してもらい、北海道、ロシア、そしてアラスカという寒冷圏の陸面・水循環研究や海岸漂着物の研究を進めていきます。

Onishi, T. and Shiraiwa, T. (2020) Land and ocean connection through iron transport by rivers -the case of the Amur-Okhotsk ecosystem (Giant Fish-Breeding Forest). In Nagothu, U.S.(ed.) The Bioeconomy Approach-constrains and opportunities for sustainable development-, Routledge, 45-64.

2019年8月4日に放映されたTBS世界遺産「アラスカ・カナダの氷河地帯 〜 アラスカ 氷河が崩れ落ちる湾(アメリカ・カナダ)」を監修という立場でお手伝いさせていただきました。アラスカ南部のグレーシャーベイ国立公園の氷河とフィヨルド、そしてそこに暮らす野生生物の姿に焦点を当てたプログラムです。カービング氷河が崩れ落ちる映像、氷河内の融氷水路、ムーランなどのおなじみの氷河現象はもちろん、今回は氷河がフィヨルドの海洋生態系に果たす役割に注目しました。

海の生産性に果たす河川の役割については様々な研究がありますが、海域の生産性に果たす氷河の役割の研究は緒についたばかりです。グリーンランドの氷河とフィヨルドで行われている研究によれば、カービング氷河の底面から流出する氷河の融解水がフィヨルドの海域において鉛直循環を促し、これによって深層の栄養塩が表層に輸送され、フィヨルドの生産性を高めている可能性が指摘されています。

詳しい説明はできませんでしたが、今回の番組ではこの新しい視点も取り入れていただきました。

2002年〜2008年にかけて、アラスカやカナダの氷河の研究に携わる機会がありましたが、この番組を観て、久しぶりにアラスカを訪ねてみたくなりました。

低温科学研究所 共同研究集会
シンポジウム「変化する環オホーツク陸域・海域環境と今後の展望」

日時:2019 年 7 月 26 日(金) 09:00~7 月 27 日(土)16:00 場所:北海道大学 低温科学研究所 3F 講堂
主催:北海道大学 低温科学研究所
連絡先:低温科学研究所 porc-info@pop.lowtem.hokudai.ac.jp

環オホーツク観測研究センターは、オホーツク海を中心とする北東ユーラシアから西部北太平洋にわたる地域(環オホーツク圏)が地球規模の環境変動に果たす役割を解明すること、また気候変動から受けるインパクトを正しく評価することを目的とし、その国際研究拠点となることを目指して平成16年4月に設立されました。これまで、短波海洋レーダ観測、衛星観測、船舶観測、現地調査等を通し、オホーツク海及びその周辺地域の環境変動モニタリングを進めてきました。また、ロシアをはじめとする国際的な研究ネットワーク構築を進めております。近年、環オホーツク圏では温暖化が進み、シベリア高気圧 の急速な弱化、オホーツク海季節海氷域の減少、海洋中層の温暖化、陸域雪氷圏の面的変化としてその影響が鋭敏に現れ始めています。

当センターは本年設立15周年を迎えました。これを機にシンポジウム「変化する環オホーツク陸域・海域環境と今後の展望」を開催し、これまで環オホー ツク研究に関わってくださった研究者が一堂に会し、多分野に亘って進めてきた環オホーツク研究を総括するとともに、今後の展望を話し合いました。

このシンポジウムでの意見交換を踏まえ、環オホーツク研究観測研究センターは今年度中を目処に、今後の研究の方向性について取りまとめたいと思っております。

20190726

TBS世界遺産というテレビ番組があります。UNESCOの世界遺産に登録された地域を紹介する番組です。ときどき、監修という形でナレーションに不正確な点がないかどうかをチェックするお手伝いをしています。以下、これまでに関わらせていただいたプログラムを列記します。いずれも氷河や寒冷地の自然をダイナミックな映像で紹介する素晴らしい内容でした。もともと空撮映像が得意な番組でしたが、最近ではUAVを駆使した斬新な映像も登場します。

研究視点で見てもいろいろ勉強になる番組です。自分では考えなかったようなアングルから氷河や地形を見せてもらうと、新しいアイデアが浮かんでくることもありました。最近放映されたモンテネグロのコトル湾の番組をみて、地中海地域の氷河作用について勉強する機会を持つことができました。

自然の仕組みをどのように視聴者に伝えるかについても勉強させてもらえます。研究者は往々にして細かい説明を長々とやりますが、核心を突いた短いメッセージやCGで事の本質をどう伝えるか、この番組はいつも考えさせてくれます。

世界遺産は年々増えているので、今後も世界の各地から素晴らしい映像を届けてくれることを期待しています。

#618 ヴェガ群島(2021/10/31)
#612 スイス・アルプス ユングフラウ-アレッチ(2021/9/19)
#606 イルリサット・アイスフィヨルド(2021/7/18)
#586 ウッドバッファロー国立公園(2021/2/21)
#576 ハイコーストとクヴァルケン群島(2020/11/22)
#563 西ノルウェーのフィヨルド群(2020/8/16)
#561 バイカル湖(2020/7/26)
#556 テ・ワヒポウナム(2020/6/14)
#524 レーティシュ鉄道(2019/9/22)
#518 アラスカ・カナダの氷河地帯(2019/8/4)
#489 ウォータートングレーシャー国際平和自然公園 (2018/12/2)
#484 グロスモーン国立公園(2018/10/21)
#481 ピレネー山脈ペルデュ山(2018/9/30)
#476 ワスカラン国立公園(2018/8/19)
#434 イルリサット・アイスフィヨルド(2017/9/10)
#404 スイス・アルプス ユングフラウ-アレッチ(2017/1/8)
#333 テ・ワヒポウナム(2015/5/24)
#309 サーミ人地域(2014/11/9)
#304 西ノルウェーのフィヨルド群(2014/9/28)
#224 アラスカ・カナダの氷河地帯II(2012.11.25)
#223 アラスカ・カナダの氷河地帯I(2012.11.18)
#190 ハイコーストとクヴァルケン群島(2012/2/26)
#172 ユングフラウ・アレッチュ氷河(2011/10/16)
#123 ワスカラン国立公園(2010/9/26)
#118 イルリサット−アイスフィヨルド(2010/8/22)
#107 テ・ワヒポウナム(2010/5/30)
SP 深津絵里と行く極北グリーンランド(2010/5/29)
#93 カナディアンロッキー山脈自然公園群(2010/2/14)
#82 西ノルウェーのフィヨルド群(2009/11/15)
#43 ロス・グラシアレス(2009/2/1)
第568回 世界遺産が語る地球46億年II 氷河(2007/11/11)
第488回 アラスカ・カナダ国境の山岳公園II(2006/3/26)
第487回 アラスカ・カナダ国境の山岳公園I(2006/3/19)