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こんにちは。白岩孝行と申します。北海道大学 低温科学研究所において、水・物質循環の研究に携わっております。主たる研究フィールドは、ロシア極東と北海道です。河川が海洋に与える影響を、いわゆる魚附林、あるいは森里海連環の視点から研究しています。もともとは、地理学の出身です。バブル絶頂期の大学生時代から西暦2000年頃までは、氷河・氷床の変動と気候との関係に興味を持っておりました。北アルプス剱岳の氷河地形研究に始まり、ネパールヒマラヤ、北極スピッツベルゲン島、グリーンランド、南極ドームふじプロジェクト、カムチャツカ半島、パタゴニア南氷原、アラスカ・カナダの氷河群、そしてヨーロッパ・アルプスとたくさんの氷河・氷床を渡り歩いてきました。

2002年にひょんなことから、ロシア極東を流れるアムール川の研究に関わることになり、その後、アマゾン川を体験するに至り、大陸を流れる大河川に魅せられました。雪と氷に覆われた極寒の世界とは正反対の、混沌にして豊穣な世界がそこにはありました。人生二度目のカルチャーショックでした(一度目は1987年に訪れたネパール。目の前にいる病で瀕死の子供を見、貧困について初めて考えさせられました)。

2002年から2009年にかけて実施したアムール・オホーツクプロジェクトは、日本・中国・ロシアの多くの素晴らしいメンバーに恵まれ、とてもやりがいのある仕事でした。海洋の生態系、なかでも外洋の基礎生産が大陸から供給される溶存鉄に依存するという我々の唱えた仮説は、新しいパラダイムとして、現在、多くの検証が進められています。一方、急激に変化しつつある東北アジア・ロシア極東地域の越境環境の変化を国際共同で捉えるべく、中国・ロシア・モンゴルの研究者と定期的に協議する学術ネットワークを仲間と立ち上げました。これがアムール・オホーツクコンソーシアムです。

北海道の河川流域においても水・物質循環と流域保全の研究を開始しました。2011年から修士課程の大学院生二人と網走川流域で調査を開始し、2013年4月からは網走市と連携して、能取湖の湖畔にある同市の水産科学センター内に北海道大学低温科学研究所附属 環オホーツク観測研究センター網走ステーションを開設しました。ここを拠点として、5年程度かけて網走川の水・物質循環と沿岸域の基礎生産との関係を研究しました。道南の天の川・石崎川では、河川流域の土地利用と沿岸の磯焼け状況の関係を解明するための研究を行いました。そのほか、風蓮湖流入河川、猿払川、美々川、豊平川、真駒内川においても大学院生と一緒に研究を行いました。2015年と2016年は北方領土の国後島を訪問し、比較的人為的擾乱の少ない国後島北部の河川を調査することができました。現在は、道東の厚岸湖に流入する別寒辺牛川水系の潮汐の影響を受ける河川下流部において、厚岸湖への淡水流入の素過程について研究を進めています。また、世界自然遺産「知床」の海岸漂着ゴミ問題の解決のため、ゴミの漂着メカニズムを調べる取り組みも始めています。

現在、ロシア極東では気候変動の影響は様々な形であらわれています。中でも、アムール川の主要な支流のひとつであるブレア川上流域では、永久凍土に変化が起こっている可能性があり、この変化が河川水質、とりわけ河川水中の溶存鉄濃度に与える影響がみえてきました。2015年度より、ロシア科学アカデミー極東支部 水・生態学研究所と連携して、この問題に取り組んでいます。一方、2017年度からは、より大きなスケールで陸と海のつながりを考えるべく、カムチャツカ半島を流れる河川に目を向けます。カムチャツカ半島から海洋に供給される大量の淡水が、オホーツク海の塩分濃度に影響を与える可能性が出てきました。いったいどれほどの淡水がカムチャツカ半島から流出するのか?その時間変動はどうなっているのか?これらの問題に取り組んでいく予定です。

大学院教育は、北海道大学大学院 環境科学院 地球圏科学専攻 雪氷・寒冷圏コースを担当しています。詳しくはお問い合わせください。

大学生の皆さん、地球上に残された最後のフロンティア、ロシア極東で一緒に研究してみませんか?日本のフロンティア、北海道の森と川と海で一緒に研究してみませんか? ただ、この研究テーマは野外活動抜きには貫徹できませんので、安全教育は一から徹底して行います。

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2024年4月現在、当研究室に所属する大学院生は11名です。

博士課程3年:2名
丁 曼卉 ”An analysis of hydrological characteristics in the Bekanbeushi River Basin”
西川穂波 「知床世界自然遺産核心地域における漂着ゴミの研究」

博士課程1年:1名
伊原希望「世界自然遺産知床におけるオホーツク海先端地区の番屋の研究」

修士課程2年:3名
小林工真「知床岬周辺の漂着ごみ研究」
坂口大晴「オホーツク海海中・沿岸の漂着ごみ研究」
雫田まき「別寒辺牛川水系の懸濁物質とその起源に関する研究」

修士課程1年:5名
川野雄大:河川
澤田隼輔:河川
岩堀 祐:河川
岩橋 駿:漂着物
渡辺隼生:山岳永久凍土
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2008年度以降の卒業生の修士・博士論文タイトル

【博士論文】
金森晶作 ”Interpretation of detailed density profiles of alpine ice cores as past environmental proxy signal”
安成哲平 ”Studies on relationship between Asian dust outbreak and the stratosphere-to-troposphere transport in spring with coupled ice-core-meteorology”
史 穆清 “Estimating streamflow of the Abashiri River under likely future climate and land use land cover conditions”

【修士論文】
佐藤 健 「カムチャツカ半島ウシュコフスキ-山アイスコアによる過去250年の気候復元」
戸井田 武 「アラスカ・ランゲル山雪氷コアの酸素・水素同位体比とその古気候学的意味」
倉野健人 「網走川流域ガバナンス」
夏目 奏 「土地利用・土地被覆の違いが河川水質成分および沿岸の磯焼けに与える影響評価〜道南上ノ国町を例に〜」
藤島 洸 「流域の土地利用が河川水溶存成分に与える影響評価:網走川の事例」
大畑 有 “Lake ice formation process at Lake Abashiri, Hokkaido, Japan-the lake ice structure and thickness evolution-”
浅野芳治 「沿岸域の基礎生産に与える河川の影響評価」
高宮良樹 「風蓮湖流入河川における陸水域〜汽水域に至る溶存鉄・栄養塩・有機物等の動態と土地利用・土地被覆との関係」
武市あゆみ 「河川由来の物質が沿岸に与える影響〜網走川・網走湾の事例〜」
張 健 「自然湿原が河川の溶存物質供給に果たす役割」
郭 銘玉 「都市河川 豊平川の溶存物質流出特性」
牛 潤華 「湧水涵養域における河川溶存成分の解析」
久保 匠 「衛星リモートセンシング技術を用いたアムール川流域の永久凍土分布の探査」
史 穆清 ”Estimation of freshwater discharge from the Kamchatka Peninsula to its surrounding oceans”
丁 曼卉 ”An analysis of hydrological characteristics in the tidal zone of Bekanbeushi river basin”
杉田 優 ”Seasonal changes in the distribution of marine litter in the coast of World Natural Heritage “Shiretoko”"
木下 拓 「知床世界自然遺産地域における海岸漂着物の体積推定と回収に向けた提言」
西川穂波「知床世界自然遺産における海岸漂着物に関する研究」
平 博成 「北海道東部の別寒辺牛川流域におけるシリカの空間分布に関する研究」
竹内祥太「北海道東部別寒辺牛川における有色溶存有機物の流出動態」
飯田幹太「羊蹄山山頂部における周氷河環境の研究」
梅津晴希「サロベツ原野のミズゴケ域とササ域における熱収支モデル」
伊原希望「世界自然遺産知床におけるオホーツク海先端地区の番屋の研究」
劉 俊男”Research on permafrost formed in a block field at a low-altitude mountain”
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以下、直近の卒業生の就職先です。

2012年度卒:北海道庁(1名)、ANA(1名)
2013年度卒:北海道庁(1名)、博士課程進学(1名)
2014年度卒:なし
2015年度卒:北海道庁(1名)、(株)マルハニチロ(1名)
2016年度卒:富士通 (1名)、澳信集团上海分公司(1名)、デロイトトーマツ(1名)、その他(1名)
2017年度卒:なし
2018年度卒:北海道地図株式会社(1名)
2019年度卒:国際協力機構 JICA(1名)、博士課程進学(2名)
2020年度卒:トータルテクニカルソリューションズ(1名)
2021年度卒:博士課程進学(1名)
2022年度卒:国土地理院(1名)、林野庁(1名)、株式会社コスモイニシア(1名)、PD研究員(北海道大学:1名)
2023年度卒:株式会社ナノコネクト(1名)、博士課程進学(1名)、未定(1名)、
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北の大地で楽しんで研究を進められる大学生の皆さんをお待ちしています。

入学に関する情報はこちらへ。

もちろん、私にご連絡いただいても結構です。

【連絡先】
北海道大学 低温科学研究所
環オホーツク観測研究センター
白岩孝行
電話011-706-7664
shiraiwa@lowtem.hokudai.ac.jp

Hello, welcome to the website of Takayuki Shiraiwa. I am working at the Institute of Low Temperature Science, Hokkaido University in Japan, as an Associate Professor. My background is Geography and studied glaciers and its relationships to climate from the early 1990s till the beginning of 2000. I’ve visited many glaciers and two ice sheets starting from glacial landforms in the northern Japanese Alps. My research fields spanned from Nepal Himalayas, Svalbard, Greenland, Antarctica, Kamchatka, the southern Patagonian ice field, Canadian as well as Alaskan Rockies to the Swiss Alps.

In 2002, I started to involved with the Russian Far East where the Amur River flows. It is the 8th longest rivers in the world and considered as the last frontier of the earth. Together with my experience in the Amazon river in 2007, I fell in love with the liquid world of the earth’s water circulation. It is to me full of wonder, chaos and biodiversity in contrast to the frozen world.

I was lucky enough to have a chance to organize multidisciplinary as well as multilateral research project, the Amur-Okhotsk Project, from 2002 to 2009 at the Research Institute for Humanity and Nature in Kyoto, Japan. The project succeeded in clarifying the impact of the Amur River to the open water ecosystem in the Sea of Okhotsk and the Oyashio region by tracing the transport of dissolved iron, an essential element for the photosynthesis of phytoplankton. This hypothesis is now being validated by many researchers in the world. While rapid degradation occurs in the terrestrial as well as marine environments in the northeast Asia and Russian Far East. We established a multilateral academic network, the Amur-Okhotsk Consortium, to accelerate academic exchange across national boundaries among Japan, China, Russia and Mongolia.

I am responsible for the education of Hokkaido University at Division of Earth System Science of the Graduate School of Environmental Science.

Please do not hesitate to contact me or viewing the instruction given by the Graduate School of Environmental Science.

Thank you for visiting my website.

Best regards,

Takayuki

For further contact:
Dr. Takayuki Shiraiwa,
Institute of Low Temperature Science,
Hokkaido University
Phone +81-11-706-7664
shiraiwa@lowtem.hokudai.ac.jp