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7月 24
猿払川から沿岸に流出する溶存鉄・懸濁物質フラックスの観測
新しく始まる研究プロジェクトの準備で、一昨年から予察的な観測を行なっている道北の猿払川を訪ねました。湿原河川は流出する海洋沿岸域の基礎生産にどのような貢献をしているのか?という興味から、猿払川ではこれまで溶存鉄や栄養塩濃度の観測を行なってきましたが、このプロジェクトでは、これらの陸域起源の物質の貢献をより定量的に見積もることを試みます。まず手始めに、湿原と河川との間での表層水・土壌水・地下水を通じた物質輸送を明らかにすべく、中流域の小さな湿原に着目し、昨年から観測を始めました。今後は、この観測を流域全体に拡張し、湿原流域が河川流出を通じて海洋沿岸域の基礎生産に果たす役割を解明したいと思っています。
今回の観測には修士課程1年の澤田隼輔さんと岩堀佑さんが参加しました。これから進める修士研究に向け、まずは流域全体の観察と水質観測、およびドローンを用いた対象湿原の空中写真撮影を実施しました。現地観測にあたっては、入林許可を下さった王子木材緑化株式会社、道道上猿払浅茅野線の通行許可をくださった稚内建設管理部、そして滞在でお世話いただいた笠井旅館に感謝申し上げます。