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8月 19

TBS世界遺産

2019年8月4日に放映されたTBS世界遺産「アラスカ・カナダの氷河地帯 〜 アラスカ 氷河が崩れ落ちる湾(アメリカ・カナダ)」を監修という立場でお手伝いさせていただきました。アラスカ南部のグレーシャーベイ国立公園の氷河とフィヨルド、そしてそこに暮らす野生生物の姿に焦点を当てたプログラムです。カービング氷河が崩れ落ちる映像、氷河内の融氷水路、ムーランなどのおなじみの氷河現象はもちろん、今回は氷河がフィヨルドの海洋生態系に果たす役割に注目しました。

海の生産性に果たす河川の役割については様々な研究がありますが、海域の生産性に果たす氷河の役割の研究は緒についたばかりです。グリーンランドの氷河とフィヨルドで行われている研究によれば、カービング氷河の底面から流出する氷河の融解水がフィヨルドの海域において鉛直循環を促し、これによって深層の栄養塩が表層に輸送され、フィヨルドの生産性を高めている可能性が指摘されています。

詳しい説明はできませんでしたが、今回の番組ではこの新しい視点も取り入れていただきました。

2002年〜2008年にかけて、アラスカやカナダの氷河の研究に携わる機会がありましたが、この番組を観て、久しぶりにアラスカを訪ねてみたくなりました。

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