Archive for the ‘research’ Category

AOC2013Poster

結氷したヤウシュベツ川最下流域・万年橋付近でのサンプリング

いよいよ風蓮川プロジェクトが始まりました。今回は、風蓮川流域をメンバー全員で見て回り、可能な場所では分析用の採水を実施しました。山梨県をはじめとする関東地方に大雪をもたらした低気圧が千島列島付近に進み、北海道は強烈な西高東低の気圧配置下に置かれたため、道北から道東にかけては激しい吹雪となりました。我々も、最初の二日間、この吹雪の影響で停滞を余儀なくされました。しかし、二日目の夕方から行動できるようになり、結氷した風蓮川の下流から上流の8地点において試料採取に成功しました。

次は4月の調査を予定しています。今後2年間、風蓮川水系と風蓮湖における物質循環と流域共生について研究を進めます。

この度、ニッセイ財団の環境問題研究助成(カテゴリー:学際的総合研究助成)のご援助により、北海道立総合研究機構 長坂晶子主査を代表とする以下のプロジェクトが立ち上がり、私も流域の水質調査を担当することになりました。

「北海道東部・風蓮川流域における流域保全対策が草地・沿岸域双方の生産活動に与える影響 -森里川海の物質の環・地域住民の環の再生をめざして-」

プロジェクト期間は平成25年から平成26年の2年間。風蓮川流域の問題に取り組みます。

興味のある大学院生の参加も歓迎します。

新しい論文が出版されました。

Intensive mixing along an island chain controls oceanic biogeochemical cycles

Jun Nishioka, Takeshi Nakatsuka, Yutaka W. Watanabe, Ichiro Yasuda, Kenshi Kuma, Hiroshi Ogawa, Naoto Ebuchi, Alexey Scherbinin, Yuri N. Volkov, Takayuki Shiraiwa and Masaaki Wakatsuchi

GLOBAL BIOGEOCHEMICAL CYCLES, VOL. 27, 1–10, doi:10.1002/gbc.20088, 2013

photo

5月25日から27日にかけて、今年2回目の網走川調査にでかけました。今回は、新しく入学した修士1年生が3名同行しました。このうち、1名は網走川とその沿岸域を修士論文の研究テーマとする予定です。

今回も河川水の栄養塩と溶存鉄濃度分析が主たる目的です。流域の農地では、遅い春を待ちかねた農家の皆さんが、忙しそうに農作業に従事されておられました。

例年にない遅い桜の開花日の翌日ということもあり、暖かい日差しに恵まれ、網走川の最下流から最上流部まで、順調にサンプリングを行うことができました。夜は、オホーツク流氷館において、アムール・オホーツクプロジェクトのお話をさせていただく機会があり、網走市観光課やオホーツク流氷館のスタッフの皆さんと楽しい夜を過ごすことができました。

これから毎月、網走川や沿岸域でのサンプリングを予定しています。

Field burn

雪が融けて農作業も始まりました

2013年度が始まり、新入生は講義に忙しい毎日ですが、時間を見つけて今年度初の網走川の調査です。4月は融雪洪水開始期であり、これまでデータを取り損ねていたので、本流を中心に河川水のサンプリングを行いました。1人の作業は効率が悪いな。

Lake Kussharo

時間が少しあったので、藻琴山に登ってみました。見下ろす屈斜路湖の湖面にはナント湖氷が浮いています。いや、今冬の寒さはハンパじゃなかったですね。

さて、これから毎月のサンプリングが始まります。次回は新人君と来たいな。

New report from the Amur-Okhotsk Consortium

昨年9月末にアムール・オホーツクコンソーシアムが主催して実施した日本・中国・ロシア・モンゴルの研究者によるアムール川の研究クルーズの成果を英文レポートとしてまとめました。電子版は以下でダウンロード可能です。

“Report of the Joint Research Cruise in the Amur River 2012″

今回のレポートでは、アムール川の水質観測の現状について、中国、ロシア、モンゴルの担当者がそれぞれ執筆しています。また、汚染状況や環境復元事業などについての報告もあります。どうかご覧ください。

Ceremony of Partnership agreement between Abashiri city and the ILTS

北海道大学低温科学研究所と網走市との相互協力に関する協定締結

Opening of the Abashiri Station

北海道大学低温科学研究所 附属環オホーツク観測研究センター 網走ステーションの開設

過去2年間にわたり、大学院生2名と一緒にやってきた網走川での仕事がきっかけとなり、網走市と北海道大学低温科学研究所の間で相互協力協定が締結される運びとなりました。

ミニ研究会 森川海とその保全

日時:3月6日13:00~
場所:低温科学研究所 新棟 3F交流ラウンジ

プログラム

1. 夏目奏「土地被覆・土地利用の違いが河川水質成分および沿岸の磯焼けに与える影響評価 ~道南 上ノ国を例に~」

2. 藤島洸「流域の土地利用が河川溶存成分に与える影響評価:網走川の事例」

3. 倉野健人「網走川流域ガバナンス」

4. 長坂晶子「森川海と流域保全(仮)」

5. 三島啓雄「GISと流域(仮) 」

6. 河原淳「「NPO法人 えんの森」の取り組み(仮)」

7. 白岩孝行「アムール・オホーツクシステムから考える流域保全」

Lake ice research

 1月16日から19日にかけて、道北の網走湖に調査にでかけてきました。修士1年生の大畑さんの野外調査です。網走湖に発達する湖氷の形成プロセスに関する研究で、11月中旬の未結氷時に調査して以来、2度目の調査となります。

 湖氷上で調査を行った17日と18日は幸いにして無風・快晴。キリリと冷え込んだ網走湖の上を、西網走漁業協同組合の川尻さんのご案内の下、スノーモービルで走り回りました。厳しい冷え込みのためか、湖氷の厚さは30cmを越え、安心しながら湖氷と積雪のサンプリングを実施できました。

 次の調査は2月。更に発達した湖氷に出会えることと思います。