Archive for the ‘outreach’ Category

当研究室で2018年から研究を開始した世界自然遺産 知床の海岸に堆積する漂着ゴミの問題がメディアで取り上げられました。まだ研究の途上ですが、遺産内の核心地域の海岸におけるゴミの現状について映像とコメントを提供させていただきました。

NHK #知るトコ、知床チャンネル 第2回「海洋ゴミと知床」

地元のボランティアのみなさんが自治体や環境省の協力を得ながら清掃活動を行っていますが、そのゴミの量は膨大で、しかも漁具などの大型ごみ(漁網やロープ)が多いため、なかなか漂着ゴミの量は減りません。また、核心地域という一般の立ち入りが厳しく制限された地域でもあるため、ボランティア活動もなかなか簡単ではないというのが現状のようです。

当研究室では、UAV(ドローン)とSfM技術を用いて漂着ゴミと流木の堆積変化をモニタリングし、漂着ゴミの質量収支を解明したいと思っております。これにより、どの時期にどれだけのゴミを回収すれば、現状の改善に繋がるのかを提言できると考えます。

2020年はコロナ禍で調査が遅れ気味ですが、9月と11月に現地調査を行う予定です。

古今書院が発行している月刊誌「地理」2020年7月号に「シベリアの河川と近年の環境変化」と題して寄稿させていただきました。この号は「ロシアの大地と人」と題した特集号です。温暖化で変化が著しいシベリアのオビ川、エニセイ川、レナ川の河川流量とアムール川で進むダム開発計画などに触れました。

地球温暖化で変化するオホーツク海の実態を知るべく、外務省と環境省の主催、ロシア天然資源環境省の共催で、今春、オホーツク海の海洋生態系に関するワークショップが東京で開催されました。この度、日露二カ国語で書かれた報告書が公開されましたので、お知らせします。

第5回日露隣接地域生態系保全協力ワークショップ報告書(日露2ヶ国語)

日露隣接地域生態系保全協力の活動についてはこちら

8月24日から9月7日にかけて、北海道大学環境科学院 国際南極学カリキュラムの一貫として行われているスイスアルプス氷河実習に引率の立場で参加させていただきました。4月から座学と札幌近郊の山々で行った様々な野外活動の経験を生かし、7名の大学院生がアルプスの氷河を舞台に雪氷学・地形学・地質学の実習を行いました。

今年も様々な分野を専攻する大学院生が共同で氷河や河川に関わる実習プログラムに取り組み、好天の中、スイスの自然を満喫しました。この経験を糧とし、それぞれの分野で更なる活躍をして欲しいと思っています。

2019年8月4日に放映されたTBS世界遺産「アラスカ・カナダの氷河地帯 〜 アラスカ 氷河が崩れ落ちる湾(アメリカ・カナダ)」を監修という立場でお手伝いさせていただきました。アラスカ南部のグレーシャーベイ国立公園の氷河とフィヨルド、そしてそこに暮らす野生生物の姿に焦点を当てたプログラムです。カービング氷河が崩れ落ちる映像、氷河内の融氷水路、ムーランなどのおなじみの氷河現象はもちろん、今回は氷河がフィヨルドの海洋生態系に果たす役割に注目しました。

海の生産性に果たす河川の役割については様々な研究がありますが、海域の生産性に果たす氷河の役割の研究は緒についたばかりです。グリーンランドの氷河とフィヨルドで行われている研究によれば、カービング氷河の底面から流出する氷河の融解水がフィヨルドの海域において鉛直循環を促し、これによって深層の栄養塩が表層に輸送され、フィヨルドの生産性を高めている可能性が指摘されています。

詳しい説明はできませんでしたが、今回の番組ではこの新しい視点も取り入れていただきました。

2002年〜2008年にかけて、アラスカやカナダの氷河の研究に携わる機会がありましたが、この番組を観て、久しぶりにアラスカを訪ねてみたくなりました。

低温科学研究所 共同研究集会
シンポジウム「変化する環オホーツク陸域・海域環境と今後の展望」

日時:2019 年 7 月 26 日(金) 09:00~7 月 27 日(土)16:00 場所:北海道大学 低温科学研究所 3F 講堂
主催:北海道大学 低温科学研究所
連絡先:低温科学研究所 porc-info@pop.lowtem.hokudai.ac.jp

環オホーツク観測研究センターは、オホーツク海を中心とする北東ユーラシアから西部北太平洋にわたる地域(環オホーツク圏)が地球規模の環境変動に果たす役割を解明すること、また気候変動から受けるインパクトを正しく評価することを目的とし、その国際研究拠点となることを目指して平成16年4月に設立されました。これまで、短波海洋レーダ観測、衛星観測、船舶観測、現地調査等を通し、オホーツク海及びその周辺地域の環境変動モニタリングを進めてきました。また、ロシアをはじめとする国際的な研究ネットワーク構築を進めております。近年、環オホーツク圏では温暖化が進み、シベリア高気圧 の急速な弱化、オホーツク海季節海氷域の減少、海洋中層の温暖化、陸域雪氷圏の面的変化としてその影響が鋭敏に現れ始めています。

当センターは本年設立15周年を迎えました。これを機にシンポジウム「変化する環オホーツク陸域・海域環境と今後の展望」を開催し、これまで環オホー ツク研究に関わってくださった研究者が一堂に会し、多分野に亘って進めてきた環オホーツク研究を総括するとともに、今後の展望を話し合いました。

このシンポジウムでの意見交換を踏まえ、環オホーツク研究観測研究センターは今年度中を目処に、今後の研究の方向性について取りまとめたいと思っております。

20190726

TBS世界遺産というテレビ番組があります。UNESCOの世界遺産に登録された地域を紹介する番組です。ときどき、監修という形でナレーションに不正確な点がないかどうかをチェックするお手伝いをしています。以下、これまでに関わらせていただいたプログラムを列記します。いずれも氷河や寒冷地の自然をダイナミックな映像で紹介する素晴らしい内容でした。もともと空撮映像が得意な番組でしたが、最近ではUAVを駆使した斬新な映像も登場します。

研究視点で見てもいろいろ勉強になる番組です。自分では考えなかったようなアングルから氷河や地形を見せてもらうと、新しいアイデアが浮かんでくることもありました。最近放映されたモンテネグロのコトル湾の番組をみて、地中海地域の氷河作用について勉強する機会を持つことができました。

自然の仕組みをどのように視聴者に伝えるかについても勉強させてもらえます。研究者は往々にして細かい説明を長々とやりますが、核心を突いた短いメッセージやCGで事の本質をどう伝えるか、この番組はいつも考えさせてくれます。

世界遺産は年々増えているので、今後も世界の各地から素晴らしい映像を届けてくれることを期待しています。

#618 ヴェガ群島(2021/10/31)
#612 スイス・アルプス ユングフラウ-アレッチ(2021/9/19)
#606 イルリサット・アイスフィヨルド(2021/7/18)
#586 ウッドバッファロー国立公園(2021/2/21)
#576 ハイコーストとクヴァルケン群島(2020/11/22)
#563 西ノルウェーのフィヨルド群(2020/8/16)
#561 バイカル湖(2020/7/26)
#556 テ・ワヒポウナム(2020/6/14)
#524 レーティシュ鉄道(2019/9/22)
#518 アラスカ・カナダの氷河地帯(2019/8/4)
#489 ウォータートングレーシャー国際平和自然公園 (2018/12/2)
#484 グロスモーン国立公園(2018/10/21)
#481 ピレネー山脈ペルデュ山(2018/9/30)
#476 ワスカラン国立公園(2018/8/19)
#434 イルリサット・アイスフィヨルド(2017/9/10)
#404 スイス・アルプス ユングフラウ-アレッチ(2017/1/8)
#333 テ・ワヒポウナム(2015/5/24)
#309 サーミ人地域(2014/11/9)
#304 西ノルウェーのフィヨルド群(2014/9/28)
#224 アラスカ・カナダの氷河地帯II(2012.11.25)
#223 アラスカ・カナダの氷河地帯I(2012.11.18)
#190 ハイコーストとクヴァルケン群島(2012/2/26)
#172 ユングフラウ・アレッチュ氷河(2011/10/16)
#123 ワスカラン国立公園(2010/9/26)
#118 イルリサット−アイスフィヨルド(2010/8/22)
#107 テ・ワヒポウナム(2010/5/30)
SP 深津絵里と行く極北グリーンランド(2010/5/29)
#93 カナディアンロッキー山脈自然公園群(2010/2/14)
#82 西ノルウェーのフィヨルド群(2009/11/15)
#43 ロス・グラシアレス(2009/2/1)
第568回 世界遺産が語る地球46億年II 氷河(2007/11/11)
第488回 アラスカ・カナダ国境の山岳公園II(2006/3/26)
第487回 アラスカ・カナダ国境の山岳公園I(2006/3/19)

IMG_9885

8月25日から9月9日にかけて北海道大学環境科学院 国際南極学カリキュラムの一貫として行われているスイスアルプス氷河実習に引率の立場で参加させていただきました。4月から座学と札幌近郊の山々で行った様々な野外活動の経験を生かし、11名の大学院生がアルプスの氷河を舞台に雪氷学・地形学・地質学の実習を行いました。

現地ではスイス連邦工科大学の大学院生との共同生活も経験し、盛りだくさんのプログラムをこなしました。この経験を糧とし、それぞれの分野で更なる活躍をして欲しいと思っています。

高校で使用される教科書「地理B」(東京書籍)を分担執筆させていただきました。地形、自然災害、環境問題、ロシア、防災の頁を担当しています。また、コラムにて魚附き林の働きを紹介しました。本年度から高校で使用される教科書です。

「北方四島専門家交流20周年記念」北方四島専門家交流等成果に関する報告会
〜北方四島における自然の恵み・魅力について〜
日時:2017年11月3日(金) 13:30-17:00
場所:北海道大学 学術交流会館 講堂
主催:環境省
共催:北の海動物センター、北海道大学低温科学研究所
後援:外務省、内閣府北方対策本部、北海道
協力:公益財団法人 知床財団
本件に関する連絡先:知床財団 電話0153-87-2828

成果報告会ポスター(後援全て)