Archive for the ‘outreach’ Category

先日、全国の自然地理学を専攻する大学生・大学院生を対象としたオンラインセミナーでアムール川とオホーツク海を対象とする魚付き林の話をさせていただきました。講演終了後、1人の学生さんから勉強に使えそうな教科書を訊ねられましたので、以下、最初に読んだら勉強になりそうな本を列記します。これらの本で概略を知った後に関連論文を読んだら良いと思います。

山下洋監修・京都大学フィールド科学教育研究センター編集(2011)「[改訂増補] 森里海連環学: 森から海までの統合的管理を目指して」京都大学学術出版会

向井宏監修・京都大学フィールド科学教育研究センター編集(2012)「森と海をむすぶ川: 沿岸域再生のために」京都大学学術出版会

松永勝彦著 (2010) 「森が消えれば海も死ぬ―陸と海を結ぶ生態学 第2版」 講談社 ブルーバックス

川那部浩哉監修・水野信彦監修・中村太士編集 (2013) 「河川生態学」 講談社

以上

「全国の自然地理学に興味をもつ学生が一堂に会して、自然地理学の俯瞰的な視点とその意義や魅力を知る」ことを目的にオンラインで運営されている自然地理学セミナーでお話しさせていただける機会をいただきました。12月11日(土) 13:00-14:30です。「陸と海をつなぐ地理学」というタイトルで、魚つき林の話をさせていただく予定です。全国の自然地理学を専攻する学部生・院生の皆さんと交流するのを楽しみにしています。参加希望の皆さんは、指導教員ないしウェブサイトの事務局を通じてお申し込みください。

少し古い資料ですが、三井物産環境基金(2011-2013)にご支援いただき実行したプロジェクトの報告書を公開させていただきます。

アムール・オホーツクコンソーシアム編
「オホーツク海の越境環境保全に向けた認識共同体の構築と実践」

自然科学研究で得られた成果を社会に還元するための一つの試みです。

東京書籍が発行する高校社会の教育情報誌 ニューサポート高校「社会」vol.36(2021年秋号)に、「地理用語としての造山帯の退場」というコラムを書かせていただきました。

当研究室で2018年から研究を開始した世界自然遺産 知床の海岸に堆積する漂着ゴミの問題がメディアで取り上げられました。まだ研究の途上ですが、遺産内の核心地域の海岸におけるゴミの現状について映像とコメントを提供させていただきました。

NHK #知るトコ、知床チャンネル 第2回「海洋ゴミと知床」

地元のボランティアのみなさんが自治体や環境省の協力を得ながら清掃活動を行っていますが、そのゴミの量は膨大で、しかも漁具などの大型ごみ(漁網やロープ)が多いため、なかなか漂着ゴミの量は減りません。また、核心地域という一般の立ち入りが厳しく制限された地域でもあるため、ボランティア活動もなかなか簡単ではないというのが現状のようです。

当研究室では、UAV(ドローン)とSfM技術を用いて漂着ゴミと流木の堆積変化をモニタリングし、漂着ゴミの質量収支を解明したいと思っております。これにより、どの時期にどれだけのゴミを回収すれば、現状の改善に繋がるのかを提言できると考えます。

2020年はコロナ禍で調査が遅れ気味ですが、9月と11月に現地調査を行う予定です。

古今書院が発行している月刊誌「地理」2020年7月号に「シベリアの河川と近年の環境変化」と題して寄稿させていただきました。この号は「ロシアの大地と人」と題した特集号です。温暖化で変化が著しいシベリアのオビ川、エニセイ川、レナ川の河川流量とアムール川で進むダム開発計画などに触れました。

地球温暖化で変化するオホーツク海の実態を知るべく、外務省と環境省の主催、ロシア天然資源環境省の共催で、今春、オホーツク海の海洋生態系に関するワークショップが東京で開催されました。この度、日露二カ国語で書かれた報告書が公開されましたので、お知らせします。

第5回日露隣接地域生態系保全協力ワークショップ報告書(日露2ヶ国語)

日露隣接地域生態系保全協力の活動についてはこちら

8月24日から9月7日にかけて、北海道大学環境科学院 国際南極学カリキュラムの一貫として行われているスイスアルプス氷河実習に引率の立場で参加させていただきました。4月から座学と札幌近郊の山々で行った様々な野外活動の経験を生かし、7名の大学院生がアルプスの氷河を舞台に雪氷学・地形学・地質学の実習を行いました。

今年も様々な分野を専攻する大学院生が共同で氷河や河川に関わる実習プログラムに取り組み、好天の中、スイスの自然を満喫しました。この経験を糧とし、それぞれの分野で更なる活躍をして欲しいと思っています。

2019年8月4日に放映されたTBS世界遺産「アラスカ・カナダの氷河地帯 〜 アラスカ 氷河が崩れ落ちる湾(アメリカ・カナダ)」を監修という立場でお手伝いさせていただきました。アラスカ南部のグレーシャーベイ国立公園の氷河とフィヨルド、そしてそこに暮らす野生生物の姿に焦点を当てたプログラムです。カービング氷河が崩れ落ちる映像、氷河内の融氷水路、ムーランなどのおなじみの氷河現象はもちろん、今回は氷河がフィヨルドの海洋生態系に果たす役割に注目しました。

海の生産性に果たす河川の役割については様々な研究がありますが、海域の生産性に果たす氷河の役割の研究は緒についたばかりです。グリーンランドの氷河とフィヨルドで行われている研究によれば、カービング氷河の底面から流出する氷河の融解水がフィヨルドの海域において鉛直循環を促し、これによって深層の栄養塩が表層に輸送され、フィヨルドの生産性を高めている可能性が指摘されています。

詳しい説明はできませんでしたが、今回の番組ではこの新しい視点も取り入れていただきました。

2002年〜2008年にかけて、アラスカやカナダの氷河の研究に携わる機会がありましたが、この番組を観て、久しぶりにアラスカを訪ねてみたくなりました。

低温科学研究所 共同研究集会
シンポジウム「変化する環オホーツク陸域・海域環境と今後の展望」

日時:2019 年 7 月 26 日(金) 09:00~7 月 27 日(土)16:00 場所:北海道大学 低温科学研究所 3F 講堂
主催:北海道大学 低温科学研究所
連絡先:低温科学研究所 porc-info@pop.lowtem.hokudai.ac.jp

環オホーツク観測研究センターは、オホーツク海を中心とする北東ユーラシアから西部北太平洋にわたる地域(環オホーツク圏)が地球規模の環境変動に果たす役割を解明すること、また気候変動から受けるインパクトを正しく評価することを目的とし、その国際研究拠点となることを目指して平成16年4月に設立されました。これまで、短波海洋レーダ観測、衛星観測、船舶観測、現地調査等を通し、オホーツク海及びその周辺地域の環境変動モニタリングを進めてきました。また、ロシアをはじめとする国際的な研究ネットワーク構築を進めております。近年、環オホーツク圏では温暖化が進み、シベリア高気圧 の急速な弱化、オホーツク海季節海氷域の減少、海洋中層の温暖化、陸域雪氷圏の面的変化としてその影響が鋭敏に現れ始めています。

当センターは本年設立15周年を迎えました。これを機にシンポジウム「変化する環オホーツク陸域・海域環境と今後の展望」を開催し、これまで環オホー ツク研究に関わってくださった研究者が一堂に会し、多分野に亘って進めてきた環オホーツク研究を総括するとともに、今後の展望を話し合いました。

このシンポジウムでの意見交換を踏まえ、環オホーツク研究観測研究センターは今年度中を目処に、今後の研究の方向性について取りまとめたいと思っております。

20190726