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40年前のこと。シカゴ大学の英文学の教授だったノーマン・マクリーンが自身の家族のことについて記した半自伝的小説を発表しました。当初、どの出版社も取り合ってくれなかった原稿は、結局、マクリーンの勤務先であるシカゴ大学出版会から世に出ることになりました。”A River Runs Through it”と題されたこの小説は、やがてアメリカを代表する一冊となり、映画化もされました。

この小説の出版40周年を記念して、シカゴ大学出版は“Backcasts: A Global History of Fly Fishing and Conservation”を出版しました。アメリカを中心とし、世界の各地でフライフィッシングに携わる人たちが、川といかに付き合い、川やそこに棲息するサケ・マス属に果たした役割を包括的に扱った本です。日本の事例は、硬派な釣り雑誌として日本では最右翼(最左翼という言葉があったらこっちを使いたい)に位置づけられるフライの雑誌社を率いる堀内正徳さんが執筆されています。ご縁があって、堀内さんの原稿を英文にする仕事をさせていただきました。

川や流域の保全や管理には様々なステイクホルダーが存在します。川やそこに棲む生き物にもっとも思いを寄せてきたのが釣り人であった一方、残念ながら彼らの存在はマイナーなものとして、川や流域管理の中では目立ってきませんでした。しかし、この本には、無数の釣り人達が実践してきた川の再生の物語が凝縮しています。

うれしいことに、このアメリカで企画され出版された本の表紙を、我が国の在来種であるヤマメ、サクラマス、アマゴの三匹が飾っています。この本をきっかけに、日本の川で釣り人の果たす役割と可能性についてもきちんと考えていきたいと思うようになりました。

fuhrenko

平成25年から26年にかけてニッセイ財団のご援助により実施した風蓮湖プロジェクトの成果が本として出版されました。詳細は出版元の北海道大学出版会のサイトをご覧ください。

低温科学研究所が発行している低温研ニュースに、2016年の国後島での河川調査について書きました。

低温研ニュース No.42

Sasaki,H., Matoba, S., Shiraiwa, T. and Benson, C.S. (2016) Temporal Variation in Iron Flux Deposition onto the Northern North Pacific Reconstructed from an Ice Core Drilled at Mount Wrangell, Alaska, SOLA, 12, 287-290.

Fu, P., Kawamura, K., Seki, O., Izawa, Y., Shiraiwa, T. and Ashworth, K. (2016) Historical trends of biogenic SOA tracers in an ice core from Kamchatka Peninsula. Environmental Science & Technology Letters, 3, 351-358.

福田知子・押田龍夫・Nevedomskaya Irina A.・Bobyr Igor G.・八木欣平・河合久仁子・白岩孝行・大泰司紀之 (2016): 国後島の「ストルボフスキー生態観察路」の生物相概説,哺乳類科学,56(1),71-76.

Y. Ohata, T. Toyota and T. Shiraiwa (2016): Lake ice formation processes and thickness evolution at Lake Abashiri, Hokkaido, Japan. Journal of Glaciology, 62 (233), 563-578.

ユーラシア研究所が発行する「ユーラシア研究 2015-12 No.53」に標記タイトルの特集を組みました。日本・中国・ロシア・モンゴルが国境を有するアムール・オホーツク地域で生じる様々な越境環境問題の実態とその解決に向けた方策について、自然科学、経済学、外交、国際関係論、国際法の立場からそれぞれ論考しております。お手にとってご覧いただけますと幸いです。

今年の2月16-17日にロシア連邦ハバロフスク市で開催された第3回日露隣接地域生態系保全協力ワークショップ概要報告要旨集(英文)環境省傘下のウェブサイトで公開されました。

2015-03-20

A. Tsushima, S. Matoba, T. Shiraiwa, S. Okamoto, H. Sasaki, D. J. Solie and K. Yoshikawa (2015): Reconstruction of recent climate change in Alaska from the Aurora Peak ice core, central Alaska, Climate of the Past, 11, 217–226, 2015.