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3月 24

冬の湿原

昨年から観測を行っている道北の湿原を訪ねました。この時期、湿原に隣接する道路は閉鎖されているため、アクセスは徒歩かスノーモービルとなります。観測に必要な機材を徒歩で運ぶことは難しく、今回は地元の方にお願いしてスノーモービルを使用しました。到着した湿原はおおよそ1mの積雪に覆われていましたが、幸い、我々が設置した4本の井戸は頭を10cmほど積雪から出しており、すぐに位置を確認することができました。さっそく井戸から地下水を採取しました。地温計を掘り出してみると、残念ながら8本のセンサーのうち、5本のセンサーケーブルが切断していました。記録を見ると、2月中旬に切断が生じたようです。おそらくは2月中旬の暖気によって急速に融雪が進み、その際、データロガーを保管しているクーラーボックスが転倒し、これによってケーブルに大きな力がかかって破断したものと思われます。幸い、昨秋からの連続データは保管されていましたので、冬季の湿原内部の温度分布を観測することに成功しました。今は、できるだけ早く観測地を再訪し、地温計の再設置を行うべく準備を進めているところです。

道北湿原