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7月 21

別寒辺牛川の水文観測

 7月8日から14日にかけて、大学院生の3名と共に道東の別寒辺牛(べかんべうし)川水系において水文観測を実施しました。火砕流台地の根釧原野を刻んで流れる水系です。低平な中・下流部は広大な湿原域となっており、潮汐の影響を受けるため、湿原の湛水機能とあいまって、流出過程が複雑な河川です。
 今回は、これまで維持してきた下流域の別寒辺牛川橋の水文観測点(RB1)において水位観測を再開すると共に、その上流に合流する3支流であるトライベツ川(RT)、別寒辺牛川本流(RB0)、チャンベツ川(RQ)に水位観測点を設置することを主目的としました。また、国道44号線が別寒辺牛川と交わる地点(RB2)にも水位計を設置しました。これらの地点において、H-Q曲線を作成することで、通年にわたる流出量を求めようと考えています。RB1では、これまでも実施してきたように、滞在期間中のみ、ADCPを係留して、水位、インデックス流量、流量を10分インターバルで測定しました。
 これらの作業を行う一方、別寒辺牛川水系の広域において、溶存・懸濁態シリカ分析用の採水、ならびにCDOMの測定を実施しました。最終日には、RB1から水鳥観察館までをカヌーで航行し、連続的なCDOMと水温・塩分のデータを取得することもできました。
 次回は9月初旬と10月初旬に現地観測を実施する予定です。

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