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12月17−18日の二日間にわたって開催されたInternational Workshop for the 4th Amur-Okhotsk Consortium Meeting 2015が無事終了しました。数年に1度と報道された爆弾低気圧による悪天が心配されましたが、1名の方が来道できなくなったのみで、海外からのゲストは全員参加することができ、主催者としてはほっとしているところです。参加できなかった方も、スカイプを通じてプレゼンテーションを行ってくださり、会議としてはまずまず成功しました。

コンソーシアム代表者の皆さんには、各国で進められているアムール川流域やオホーツク海研究の取り組みが紹介されました。モンゴル、中国、ロシアでも様々な研究や環境利用が行われており、二国間の取り組みも多数紹介されました。また、今回新たに参加していただいた黒龍江省環境保護科学研究院の遅院長には、黒龍江省が進める環境研究と環境保全をご紹介いただき、中国の取り組みを知る絶好の機会となりました。スカイプで参加してくださった東北大学の石井先生からは、東アジアで進められている越境大気汚染モニタリングにおける多国間の取り組みの分析から、認識共同体と呼ばれる政策提言を目的とした科学者集団の問題点についてたいへん刺激的なご意見をいただき、会場はこの議論で大いに湧きました。

二日目は、来年2015年に中国・ハルビン市で開催を予定している第4回アムール・オホーツクコンソーシアム国際会合の詳細を議論しました。環境保全と経済発展を両立するという視点を基礎におき、様々なセッションをご提案いただきました。事務局としては、これから具体的なプログラム作成に向けて邁進していきたいと思います。なお、今回の会議の概要は、”開発こうほう”誌に寄稿させていただく予定です。

以上、どんな悪天でもあきらめずに集まってくれる北東アジアの友達に感謝の気持ちを新たにした二日間でした。

12月6日に京都で開催された京都環境文化学術フォーラム「スペシャルセッション」の動画です。

2015年アムール・オホーツクコンソーシアム第四回会合に向けた国際ワークショップ

日時: 2014年12月17日(水)-12月18日(木)
場所: 北海道大学 スラブ・ユーラシア研究センター大会議室403
札幌市北区北9条西7丁目 Tel: 011-706-2388(直通)
会場へのアクセスはこちらのHPをご覧ください:

*参加申込不要(当日会場へお越しください)
主催: 
北海道大学 低温科学研究所 環オホーツク観測研究センター
北海道大学 スラブ・ユーラシア研究センター
共催:
総合地球環境学研究所
使用言語: ロシア語・中国語・モンゴル語から日本語への逐次通訳

セッション:
セッション1  アムール・オホーツク地域の環境・持続可能な発展に関する進展
セッション2  アムール・オホーツク地域の持続可能な未来へ向けての提案
セッション3  2015年ハルビンでの国際会合へ向けて

プログラムはこちらをご覧ください。

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For more information, please access to the publisher’s site.

京都環境文化学術フォーラム スペシャルセッション
『「森里海」から「地球」を考える』

2014年12月6日(土) 14:00-17:00
京都府立大学稲盛記念会館102講義室
参加お申し込みはこちらまで

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しばらくご無沙汰していた道東の風蓮川流域でサンプリング調査を実施しました。今回は、この10月から研究室に加わったM1の高宮君、中国からの研究生である郭さん、牛君、張君ら4人の学生さんが同行しました。彼らはこれから河川研究にたずさわる予定です。

心配していた天候ですが、オホーツク海にあった低気圧に向かって南風が吹き込んだため、別海町は春を思わせる陽気に恵まれ、順調に二日間の河川水サンプリングを終了することができました。最初はおぼつかなかった作業ですが、二日ですっかり慣れたようで、最後のほうは大変効率良く作業を進めることができました。

秋の渇水期で流量もかなり減りましたが、川にはウグイの大群がいたり、バイカモとおぼしき水草が生えていたりと、秋の道東を満喫することができました。そうそう、ノコギリベツ川の湿原でタンチョウのつがいもみることができました。

次は凍結期直前のサンプリングです。

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2011年〜2013年の三年間にわたるアムール・オホーツクコンソーシアムの活動をまとめた報告書を出版しました。pdf版は以下でご覧下さい。

三井物産環境基金 2011-2013 最終報告書
オホーツク海の越境環境保全に向けた 認識共同体の構築と実践
アムール・オホーツクコンソーシアム編

第157回獣医学会学術集会
公衆衛生学分科会・野生動物学分科会ジョイントシンポジウム
日時:9月10日(水)09:00-12:00
場所:北海道大学 高等教育研究機構 第9会場
座長:能田 淳(酪農学園大学) 坪田 敏男(北海道大学)

プログラム
FLS-1 巨大魚附林仮説:流域と外洋をつなぐ新たな環境システムの発見
○白岩 孝行 北大 低温科学研究所
FLS-2 環境変化が野生動物へ与える影響
○増田 泰 公益財団法人知床財団
FLS-3 石油流出事故がオホーツク圏の生態系に及ぼした影響等の事例、リスク、現場獣医師の声と提案 -特にサハリンにおける石油資源開発について-
○齊藤 慶輔 猛禽類医学研究所
FLS-4 今後の持続的な活動に向けた提案
○浅川 満彦 酪農大 獣・感染病理

10月3日 編集会議(東京)
10月23日 プロジェクト報告(三井物産、東京)
10月24−27日 風蓮川 河川水サンプリング(北海道)
10月30日 講演(滝川高校)
11月28日 修士論文中間発表会
12月5日 プロジェクト報告会
12月6日 京都環境文化学術フォーラム(京都)
12月17−18日 アムール・オホーツクコンソーシアム代表者会議(札幌)
12月25-28日 風蓮川 河川水サンプリング(北海道)

新しい論文が出版されました。

Quantitative evaluation of iron transport processes in the Sea of Okhotsk

Jun Nishioka,Takeshi Nakatsuka, Kazuya Ono, Yu.N. Volkov, Alexey Scherbinin and Takayuki Shiraiwa

Progress in Oceanography
Volume 126, August 2014, Pages 180–193
DOI: 10.1016/j.pocean.2014.04.011