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4月 17
新刊本:湿地の科学と暮らし 北のウェットランド大全
昨日届いた『湿地の科学と暮らし 北のウェットランド大全』です。斬新な表紙が素敵です。364ページの厚い本。
自分にも跳ね返ってくることを承知で書きますが、多数の執筆者によるオムニバス形式で書かれた本は、よほど編者の方針(と締め付け)がはっきりしていないと、内容が漠然となり、(著者の数に比例するがごとく)総体としての一冊の魅力が低くなるように思います。だから、普段はこういう本は買いません(^^;
この本は湿地に関わるそのオムニバス形式の本ですが、編者が執筆者に執拗に何度も改稿を要求してきた珍しい例で、執筆者の一人である私は本を手に取るまで全体像を知ることができませんでした。おそらく編者は全ての執筆者に同様な対応をしたことと思います。私自身は、正直なところ、論文じゃないし、なんどもやりとりするのはかなわんなぁ。。と思ってましたし、本にもあまり期待していませんでした(ゴメンナサイ)。
が、こうして出来上がったものを読むと、湿地が実に多方面の人達を惹きつけ、湿地研究がとても奥の深い分野であることがわかりました。けっこう学術的な内容が多いのですが、巻末には丁寧な用語解説もあって、編者の努力が報われているように思えました。
若い頃は湿地とか平野にはなんの興味もなくて、いつも高いところ、遠い異国にばかり目を向けていたけれど、実に実に、面白いことは足元にたくさん転がってるなぁと思う今日この頃。
値段もわりとリーズナブルなので、湿地に興味がある方、北海道をよりよく知りたい方にはオススメです。私自身、この本から学ぶことがたくさんありました。