TBS世界遺産というテレビ番組があります。UNESCOの世界遺産に登録された地域を紹介する番組です。ときどき、監修という形でナレーションに不正確な点がないかどうかをチェックするお手伝いをしています。以下、これまでに関わらせていただいたプログラムを列記します。いずれも氷河や寒冷地の自然をダイナミックな映像で紹介する素晴らしい内容でした。もともと空撮映像が得意な番組でしたが、最近ではUAVを駆使した斬新な映像も登場します。

研究視点で見てもいろいろ勉強になる番組です。自分では考えなかったようなアングルから氷河や地形を見せてもらうと、新しいアイデアが浮かんでくることもありました。最近放映されたモンテネグロのコトル湾の番組をみて、地中海地域の氷河作用について勉強する機会を持つことができました。

自然の仕組みをどのように視聴者に伝えるかについても勉強させてもらえます。研究者は往々にして細かい説明を長々とやりますが、核心を突いた短いメッセージやCGで事の本質をどう伝えるか、この番組はいつも考えさせてくれます。

世界遺産は年々増えているので、今後も世界の各地から素晴らしい映像を届けてくれることを期待しています。

#618 ヴェガ群島(2021/10/31)
#612 スイス・アルプス ユングフラウ-アレッチ(2021/9/19)
#606 イルリサット・アイスフィヨルド(2021/7/18)
#586 ウッドバッファロー国立公園(2021/2/21)
#576 ハイコーストとクヴァルケン群島(2020/11/22)
#563 西ノルウェーのフィヨルド群(2020/8/16)
#561 バイカル湖(2020/7/26)
#556 テ・ワヒポウナム(2020/6/14)
#524 レーティシュ鉄道(2019/9/22)
#518 アラスカ・カナダの氷河地帯(2019/8/4)
#489 ウォータートングレーシャー国際平和自然公園 (2018/12/2)
#484 グロスモーン国立公園(2018/10/21)
#481 ピレネー山脈ペルデュ山(2018/9/30)
#476 ワスカラン国立公園(2018/8/19)
#434 イルリサット・アイスフィヨルド(2017/9/10)
#404 スイス・アルプス ユングフラウ-アレッチ(2017/1/8)
#333 テ・ワヒポウナム(2015/5/24)
#309 サーミ人地域(2014/11/9)
#304 西ノルウェーのフィヨルド群(2014/9/28)
#224 アラスカ・カナダの氷河地帯II(2012.11.25)
#223 アラスカ・カナダの氷河地帯I(2012.11.18)
#190 ハイコーストとクヴァルケン群島(2012/2/26)
#172 ユングフラウ・アレッチュ氷河(2011/10/16)
#123 ワスカラン国立公園(2010/9/26)
#118 イルリサット−アイスフィヨルド(2010/8/22)
#107 テ・ワヒポウナム(2010/5/30)
SP 深津絵里と行く極北グリーンランド(2010/5/29)
#93 カナディアンロッキー山脈自然公園群(2010/2/14)
#82 西ノルウェーのフィヨルド群(2009/11/15)
#43 ロス・グラシアレス(2009/2/1)
第568回 世界遺産が語る地球46億年II 氷河(2007/11/11)
第488回 アラスカ・カナダ国境の山岳公園II(2006/3/26)
第487回 アラスカ・カナダ国境の山岳公園I(2006/3/19)

オホーツク海の熱塩循環に及ぼすカムチャツカ半島の河川からの淡水供給の影響を解明すべく、今夏はカムチャツカ半島最大の河川であるカムチャツカ川に注目して現地調査を行いました。調査を行ったのは、7月16日から7月30日の16日間。まずはカムチャツカ川の河川水が沿岸域でどのように広がっているのかを解明すべく、ペトロパブロフスクからカムチャツカ川の河口に至る沿岸海域を船舶を利用して航行しました。調査項目は水温・塩分の鉛直観測と採水です。次いで、カムチャツカ川の源流からカムチャツカ川の河口の町 ウスチカムチャツカまで陸路で移動し、カムチャツカ川の水温測定と採水を実施しました。海洋観測では船酔い、陸上観測では蚊の猛攻撃に悩まされましたが、貴重なデータを取得することができました。来年は、同様な観測をカムチャツカ半島のオホーツク海側で実施したいと思っています。

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8月25日から9月9日にかけて北海道大学環境科学院 国際南極学カリキュラムの一貫として行われているスイスアルプス氷河実習に引率の立場で参加させていただきました。4月から座学と札幌近郊の山々で行った様々な野外活動の経験を生かし、11名の大学院生がアルプスの氷河を舞台に雪氷学・地形学・地質学の実習を行いました。

現地ではスイス連邦工科大学の大学院生との共同生活も経験し、盛りだくさんのプログラムをこなしました。この経験を糧とし、それぞれの分野で更なる活躍をして欲しいと思っています。

高校で使用される教科書「地理B」(東京書籍)を分担執筆させていただきました。地形、自然災害、環境問題、ロシア、防災の頁を担当しています。また、コラムにて魚附き林の働きを紹介しました。本年度から高校で使用される教科書です。

2月6-7日 環境科学院 環境起学専攻 修士論文発表会
2月15日 知床科学委員会 海域ワーキンググループ会合(札幌)
2月21日 知床科学委員会および日露隣接地域生態系保全協力プログラム推進委員会会合(札幌)
2月28日−3月1日 環境科学院 環境起学専攻 入試
3月2日 北海道大学 第1回創成研究機構フォーラム「北大研究所・センターが提案する国際化戦略」
3月5-7日 科学研究費Bによるロシア研究集会(岐阜大学)
3月19日 バードライフインターナショナルで研究打合せ(東京)
3月21-24日 日本地理学会春季大会(東京学芸大学)
3月26日 低温研共同研究打合せ「北東アジアの環境保全に向けた認識共同体の構築とプログラム化」(札幌)
3月31日-4月1日 編集委員会(東京)
4月6日 北海道大学大学院 環境科学院 入学式
4月19-22日 別寒辺牛川水系調査
4月26-27日 編集会議(東京)
4月28-29日 南極学特別実習III(手稲山)
5月16日 南極学特別実習III(講義)
5月19-20日 編集会議(東京)
5月25-28日 統合環境地理調査法実習(後志地方)
5月31日−6月3日 別寒辺牛川水系調査
6月9日 南極学特別実習III(塩谷丸山)
6月21-24日 知床調査
7月16-8月2日 ロシア・カムチャツカ半島にて野外調査
8月4日-7日 別寒辺牛川水系調査
8月20日 日露隣接地域生態系保全協力プログラム推進委員会会合(札幌)
8月23-24日 北海道大学大学院 環境科学院 入試
8月25日-9月9日 スイス実習
9月11日−9月15日 別寒辺牛川集中観測(北海道胆振東部地震のため延期)
9月30日 研究打合せ(網走:東京農業大学)
10月12日-14日 別寒辺牛川水系調査
10月26-27日 編集会議(東京)
10月31日 スイス実習報告会
11月8日−12日 知床・網走環境調査
11月16-18日 別寒辺牛川水系調査
11月29日 修士論文中間発表会
12月1日 編集会議(東京)
12月3日 科研費A「カムチャツカ半島の淡水供給が制御する環オホーツク陸海結合システム」会議(札幌)
12月12日 東京理科大学長万部キャンパス講義
12月14-15日 編集会議(東京)
12月17-19日 別寒辺牛川水系観測
1月10-11日 編集会議(東京)
1月23-26日 国際シンポジウム(金沢大学)
2月5-6日 修士論文発表会
2月18-20日 第34回 北方圏国際シンポジウム(紋別)
2月28日-3月1日 大学院入試
3月1日 第5回日露隣接地域生態系保全ワークショップ(東京)
3月5日 日露隣接地域生態系保全プログラム推進委員会(札幌)
3月6日 第2回知床世界自然遺産地域科学委員会(札幌)
3月19-22日 日本地理学会(東京)
3月26-28日 研究会(金沢大学)

「北方四島専門家交流20周年記念」北方四島専門家交流等成果に関する報告会
〜北方四島における自然の恵み・魅力について〜
日時:2017年11月3日(金) 13:30-17:00
場所:北海道大学 学術交流会館 講堂
主催:環境省
共催:北の海動物センター、北海道大学低温科学研究所
後援:外務省、内閣府北方対策本部、北海道
協力:公益財団法人 知床財団
本件に関する連絡先:知床財団 電話0153-87-2828

成果報告会ポスター(後援全て)

高校で使用される教科書「地理A」(東京書籍)を分担執筆させていただきました。地形、ロシア、防災の頁を担当しています。本年度から高校で使用される教科書です。

岩波書店が発行する「科学」10月号にリレーエッセイ「自然地理学としての陸海連関研究」を書きました。学際研究としての陸海連関研究に地理学の立場としてどう取り組むかについて考えたものです。

朝倉書店から『世界地誌シリーズ9 ロシア』が刊行されました。第2章 広大な国土と多様な自然を分担執筆させていただきました。

B5/184ページ/2017年09月25日
ISBN978-4-254-16929-4 C3325
定価3,672円(本体3,400円+税)

平成29年度 北海道大学低温科学研究所開拓型研究課題(代表 長尾誠也)「陸海結合システムの解明ーマルチスケール研究と統合的理解ー」の一環として、北海道東部の別寒辺牛川水系〜厚岸湖〜厚岸湾〜沿岸親潮に至る物質輸送の研究が全国の研究者との共同研究として始まりました。

我々河川グループの研究課題は、別寒辺牛川から厚岸湖に供給される淡水量とそこに溶存している様々な物質の濃度・フラックス測定です。10月初旬の陸・汽水域・外洋の同時観測に向け、河川グループは厚岸湖に流入する河川群において流量観測と水圧式水位計・電気伝導度計の設置を行いました。

本年度は、11月初旬まで継続的に観測を行い、次年度以降のプロジェクト立案に向けて基礎データの収集を試みます。
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